2011年7月2日土曜日

上士幌町被災者受け入れ環境整備プロジェクト 着々進行中です!


上士幌町プロジェクトについてなかなかブログでご紹介できていませんでした。
しかし、実はけんちく隊の中では着々と、そしてとても綿密に計画が進められています。
今お伝えできる内容は限られているのですが、8月から9月にかけて、上士幌町にご提供いただいた平屋の公営住宅二棟で、改修設計ワークショップ、できれば実際に改修工事ワークショップまで行う予定です。(現在、資金調達等の関係で、改修工事ができるかまだ明言はできないのですが・・・いずれにせよワークショップは行います!)
改修ワークショップだけではなく、北海道の過疎地公営住宅のストック調査、改修物件の運用提案、被災者の就労・居住環境のパッケージ提案など、けんちく隊メンバーの専門性を生かした総合的なプロジェクトを進行させています。
こちらは今後ご紹介していければと思っています。
  改修設計対象の町営住宅です。小学校の教員住宅として使われていました。

さて、現在考えている改修設計のテーマは大きく3つあります。
1.断熱改修と設備更新
北海道の古い公営住宅は断熱性能や設備更新が不十分なために、空室であっても利活用が行われていないケースが多く見受けられます。また、本州から避難されている方々にとって、気候の違いは大きなストレスになる可能性があります。被災者の方々に、温かく快適な生活を送ってもらうため、また、環境負荷、光熱費が抑制された住居を提供するため、外断熱や開口部の高断熱化を中心とした断熱改修計画と設備の更新を検討しています。設計対象となる公営住宅はコンクリートブロック造ですので、コンクリートブロック造の外側に断熱材を付加されることで、室内側になるコンクリートブロックの蓄熱性能を生かし、温度変化の少ない快適な温熱環境を作り出す狙いもあります。

2.サンルーム
転勤で北海道に来ている家族に北海道の住み心地を聞くと、多くはよい感想が返ってきます。
けれど、多いのは洗濯物が乾かなくて、という不満です。
気温が低いためか、真夏以外、干した洗濯物が昼間の間だけでは乾かないのです。
そのため、夕方室内に移して洗濯物を干したり、最初から室内に干したりするので、家の一室が洗濯物部屋になってしまい、手狭な暮らしを強いられているという話もよく聞きます。
北海道ではあらかじめサンルーム化されたベランダのマンションや共用の乾燥室のあるマンション、戸建てでも二重玄関や乾燥室、サンルームのある家がたくさんあります。今回設計対象となる公営住宅でも、北海道のサンルーム文化を生かしたデザインを行いたいと考えています。
洗濯物を干すだけではなく、北海道では屋外で育てられない本州の植物やペット、趣味の空間など、被災者の方々がもともと暮らしていた生活にできる限り近づけるための空間、北海道と被災地の差を埋めるバッファエリアのような空間をデザインしていきたいと考えています。

3.さらなるデザイン性の付加
これまでの公営住宅や被災者受け入れ住宅は、住める空間があればよい、できるだけ広さや性能のよいものであればなおよいという考え方が主流ではなかったかと思います。
しかし、我々は望まずして北海道に避難されてきた方に、より気持ちよく、そして楽しく暮らしていただきたいと考えています。たとえ避難生活を終えて被災地に戻ることになったとしても、また北海道に遊びにきたいと思っていただけるよう、楽しい思い出を作ってもらいたいと思います。
雄大な自然に囲まれた上士幌町らしいのびやかな空間や子供が楽しく暮らせる空間など、デザイン性を付加した被災者受け入れ住宅を提案していきたいと考えています。

 総合断熱メーカー ダンネツ様とスポンサーシップを結びます
そして今回、上士幌町被災者受け入れ環境整備プロジェクトに強力な協力企業様をお迎えすることができました。
断熱改修の実績が豊富な北海道発の総合断熱メーカー ダンネツ様に我々の活動趣旨に賛同いただき、スポンサーシップを結んばせていただくことになったのです。
外断熱が普及しているヨーロッパで主流の、EPSボードによる外張り断熱改修をはじめ断熱改修一式の計画提案と設計協力をしていただける予定です。
さらに、実際に改修工事ワークショップを行える場合は、ダンネツ様とけんちく隊学生の共同チームで施工を行っていただけることになっています。
設計と計画の専門家中心だったけんちく隊に強力な施工のプロが参加し、チームの実行力がさらに向上しました。今後のけんちく隊の活動にどうぞご注目ください。

2011年7月1日金曜日

札幌発 ボランティアバスツアーに参加しました

こんにちは。けんちく隊メンバーの丸田です。
7月19日から21日、週末を利用して札幌発ボランティアバスツアーで陸前高田市にいってまりました。
けんちく隊とは別の個人活動ですが、北海道からできる震災支援のひとつとしてご紹介させていただきます。
北海道からなにか支援できないかと考えている方やツアーに参加を検討されている方などに参考にしていただければと思います。